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カリキュラム 第1章 FXとEAの基礎 始める前に知っておくべきリスクと心構え
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始める前に知っておくべきリスクと心構え

読み終わるまでの目安 約10分

この記事でできるようになること

  • 「バックテストで勝てたEAが実運用でも勝てるとは限らない」理由を説明できる
  • バックテストと実運用の差を生む3つの要因(スプレッド・スリッページ・約定拒否)が分かる
  • 自分が用意すべき資金の考え方と、始める前の心構えを決められる

解説

「過去に勝てた」は「未来も勝てる」を意味しません

第5章で学ぶバックテストは、「このEAを過去の相場で動かしていたらどうなったか」を計算するものです。とても便利ですが、ひとつ大きな限界があります。過去に勝てたことは、未来に勝てることの証明にはならないということです。

相場は常に変化しています。数年前によく効いたルールが、今は効かなくなっていることは珍しくありません。バックテストは「少なくとも過去にはダメではなかった」ことを確認するフィルターであって、合格証ではありません。記事に出てくる「目安」の数値も、「この数値なら勝てる」という意味ではなく、判断材料のひとつです。

バックテストと実運用の差を生む3つの要因

バックテストの結果が、そのまま実運用で再現されることはまずありません。主な理由は次の3つです。

1. スプレッド(買値と売値の差) バックテストでは固定のスプレッドで計算しますが、実際のスプレッドは時間帯やニュースで変動し、特に早朝や経済指標の発表時は大きく広がります。広がった分だけEAの成績は悪くなります。

2. スリッページ(注文価格と約定価格のズレ) 「150.00円で買う」注文を出しても、実際に約定する(取引が成立する)のは150.02円だった、ということが起こります。このズレがスリッページで、相場が速いときほど発生しやすく、バックテストではほぼ再現されません。

3. 約定拒否・遅延 相場の急変時には、注文そのものが通らなかったり、大きく遅れたりすることがあります。バックテストでは「注文は必ず瞬時に通る」前提で計算するので、ここにも差が生まれます。

ここに画面写真を入れてください図: バックテストと実運用の差。左に「バックテスト(固定スプレッド・即時約定)」、右に「実運用(変動スプレッド・スリッページ・約定拒否)」を並べ、同じEAでも成績が下がるイメージを矢印で示した図1-5-01.png

だからこそ、このスクールでは「バックテスト→デモ口座で1〜3ヶ月フォワードテスト→最小ロットでリアル」という順番を必ず守ります。

「過剰最適化」という落とし穴(予告)

第6章で詳しく扱いますが、今のうちに名前だけ覚えておいてください。

EAの設定値をいじっていると、過去のデータに対してだけ驚くほど良い成績が出ることがあります。これを**過剰最適化(カーブフィッティング)**と呼びます。「過去の相場の形にぴったり合わせすぎて、未来の相場には合わないEA」ができてしまう現象です。

バックテストで「右肩上がりの美しいグラフ」が出たときほど、疑ってください。バックテストの成績が良すぎるのは、良い知らせではなく警告であることが多いです。

失っても生活に影響しない資金で始める

このスクールで一番強くお伝えしたいのはここです。

  • リアル口座に入れるお金は、全額失っても生活・家族・仕事に影響しない金額にしてください
  • 生活費、貯金の大半、借りたお金は絶対に使わないでください
  • 「少額で試して、うまくいったら増やす」のが基本です。逆はありません

海外業者(HFM)はレバレッジを高く設定できるため、少額でも大きな取引ができてしまいます。「少額で始められる」利点であると同時に、「少額があっという間になくなる」リスクでもあります。

具体的な金額は指示しません。人によって事情が違うからです。「なくなっても大丈夫」と言い切れる金額を、始める前に自分で決めてください。

心構え:これは「勉強と実験」です

始める前の心構えを3つ挙げます。

  1. 最初のEAは、勝つためではなく「一連の流れを覚えるため」に作る。サンプルEAの成績が良くなくても、それは失敗ではありません。
  2. 記録を残す。何を試して、どうなったかをメモしておくと、第6章の改善で必ず役立ちます。
  3. やめる基準を先に決める。「デモで○ヶ月マイナスなら見直す」「リアルで○円失ったら止める」を、始める前に決めておきます。

免責事項(必ずお読みください)

  • 本スクールの記事は、EAの作成方法および検証方法に関する情報提供を目的としたものであり、特定の取引や投資を勧誘・推奨するものではありません。
  • FX取引は元本を失うリスクのある取引です。レバレッジの利用により、預けた証拠金以上の損失が発生する可能性があります。
  • 記事内に記載する数値・設定・サンプルEAは、あくまで学習用の例です。将来の利益を保証するものではなく、同じ設定で同じ結果が得られることも保証しません。
  • 記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。取引業者の仕様、ソフトウェアの画面、AIサービスの内容は予告なく変更されることがあります。
  • 取引の最終判断は、すべて読者ご自身の責任で行ってください。本スクールの情報を利用した結果生じたいかなる損失についても、当スクールおよび執筆者は責任を負いません。
  • 口座開設、入金、本人確認、口座情報の入力は、読者ご自身で行ってください。記事は手順を案内するのみです。
  • 海外業者の利用に関する税務(日本では原則として雑所得・総合課税)や法的な扱いは、必要に応じて税理士等の専門家にご確認ください。

※この免責事項はサイト全体のフッターにも掲載します。

つまずきポイント

  • バックテストの結果に舞い上がる: 良い結果が出たら、まず「過剰最適化ではないか」「取引回数は十分か」を疑う癖をつけてください(第5章・第6章)。
  • いきなりリアル口座から始めたくなる: デモ口座は本物の相場で動くので、練習として十分です。順番を飛ばさないでください。
  • 「AIが作ったから安全」と思う: AIはコードを書くだけで、リスクを減らしてくれるわけではありません。
  • 損失を取り返そうとロットを上げる: 最も多い失敗パターンです。ロットを上げる判断は、事前に決めたルール以外ではしないでください。

次の記事

ここまでで基礎知識は完了です。第2章からは実際に手を動かして、HFMのデモ口座とMT4の環境を作ります。→ 2-1 使用するツールの全体像