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カリキュラム 第5章 バックテスト バックテスト結果の見方
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バックテスト結果の見方

読み終わるまでの目安 約25分

この記事でできるようになること

  • バックテストのレポートを「見る順番」どおりにチェックできる
  • 純益・プロフィットファクター・最大ドローダウン・取引数・勝率・期待利得の意味が分かる
  • レポートを保存して、あとで比較できる形で残せる

準備するもの

  • 前の記事でバックテストを完了させたMT4(ストラテジーテスターに結果が残っている状態)

手順

手順1 「グラフ」タブと「レポート」タブを開く

テストが終わると、ストラテジーテスターのパネル下部にタブが並びます。使うのは主に次の2つです。

  • 「グラフ」タブ: 口座残高の推移が折れ線グラフで表示されます。
  • 「レポート」タブ: 成績が数字の一覧で表示されます。

「結果」タブには1回1回の取引の一覧が出ますが、まずはグラフとレポートを見られれば十分です。

レポートには多くの数字が並んでいて、全部を見ようとすると迷子になります。そこで本スクールでは、次の順番で見ることにします。

  1. グラフの形
  2. プロフィットファクター
  3. 最大ドローダウン
  4. 総取引数
  5. 勝率

この順番にする理由は、「上の項目で落第なら、下の項目を見るまでもない」からです。1つずつ説明します。

手順2 ①グラフの形を見る

「グラフ」タブを開きます。横軸が取引の回数、縦軸が口座残高です。数字を見る前に、まず線の「形」だけを見てください。

  • 良い形: 左下から右上へ、なだらかに、ほぼ一直線に上がっていく
  • 悪い形: 上がったり下がったりが激しい/途中で大きく落ち込んでいる/ある一点だけ急に跳ね上がっている

「なだらかな右肩上がり」がよいのは、利益が特定の時期に偏らず、コツコツ積み上がっている証拠だからです。逆に、1か所だけ急に跳ね上がっているグラフは、たまたま大きく勝った1回に成績全体が支えられている可能性があります(このことは次の記事でさらに掘り下げます)。

手順3 ②プロフィットファクター(PF)を見る

「レポート」タブに切り替えます。「プロフィットファクタ」という項目を探してください。要確認

プロフィットファクター(PF)は、「総利益 ÷ 総損失」です。勝った取引の利益を全部足したものを、負けた取引の損失を全部足したもので割った値で、たとえばPF 1.5なら「損失1に対して利益1.5」という意味です。

  • PF 1.0未満: 損失の方が大きい(トータルで負け)
  • PF 1.0: 損益トントン
  • PF 1.3以上: まずまず(合格ラインの目安)
  • PF 2.0以上: かなり良い。ただし高すぎる場合は「過去に合わせすぎ」を疑う(第6章)

合格ラインはあくまで目安です。PFが1.3を超えていれば「先に進んでよさそう」、1.0を下回っていれば「改善が必要」と判断する、くらいの使い方にしてください。

手順4 ③最大ドローダウンを見る

「最大ドローダウン」の項目を探します。要確認金額と、カッコ内にパーセントが表示されています。

ドローダウンとは、口座残高が「一番増えたところ」から「どれだけ減ったか」のことです。最大ドローダウンは、テスト期間中で一番大きかった落ち込みです。たとえば残高が120万円まで増えてから96万円に減った場合、20%の落ち込み、つまりドローダウン20%です。

この数字は「このEAを使うと、途中でこれくらい減る場面に耐える必要がある」という意味です。テストで20%なら、実際の運用ではそれ以上減る可能性も見ておくべきです。

  • 20%以下: 目安としての合格ライン
  • 30%以上: 精神的にも資金的にも耐えにくい。改善が必要

この目安はあくまで一例で、「自分ならどこまで減っても続けられるか」を基準に決めるのが本来の考え方です。

手順5 ④総取引数を見る

「総取引数」を確認します。要確認テスト期間中に何回売買したかの数です。

回数が少ないと、たとえPFやドローダウンが良くても、それが「実力」なのか「たまたま」なのか区別がつきません。コインを3回投げて3回表が出ても「このコインは表が出やすい」とは言えないのと同じです。

  • 100回以上: 目安としての合格ライン
  • 30回未満: 数字がどれだけ良くても判断材料として弱い

取引数が足りないときは、テスト期間を長くするか、そもそもEAのエントリー条件が厳しすぎないかを見直します。

手順6 ⑤勝率を見る

MT4のレポートには「勝率」という行はありません。代わりに「勝トレード(全体の%)」「負トレード(全体の%)」という項目があり、カッコ内のパーセントが、全取引に占める勝ち・負けの割合を表します。ここでは「勝トレード(全体の%)」のパーセントを、勝率として見ます。

初心者の方が一番気にしがちなのが勝率ですが、実は順番としては最後でよい項目です。理由は、勝率が低くても「勝つときは大きく、負けるときは小さく」なら利益が出ますし、勝率が高くても「勝ちは小さく、負けは大きく」なら損をするからです。

サンプルEAは利確50pips・損切り30pipsなので、1回の勝ちが1回の負けより大きい設計です。この場合、勝率が40〜50%程度でもトータルでプラスになりえます。「勝率が50%を切っているからダメ」と決めつけないでください。

勝率は、PFや期待利得とセットで見て初めて意味を持つ数字です。

手順7 純益と期待利得も確認する

順番の5つに加えて、次の2つも見ておきましょう。

純益: テスト期間全体の利益から損失を引いた、最終的な損益です。プラスかマイナスかは一目で分かる一方、「初期証拠金に対してどれくらいか」「何年でこの額か」も一緒に見ないと評価できません。100万円で3年間テストして純益5万円なら、年あたり2%弱です。

期待利得: 1回の取引あたりの平均損益です。「純益 ÷ 総取引数」に相当します。たとえば期待利得が+800円なら、「この取引を1回すると平均800円増える見込み」という意味で、プラスであることが最低条件です。これが小さすぎると、スプレッドや約定のずれで実運用ではマイナスになりかねません。

手順8 良い結果と悪い結果を見比べる

言葉だけでは分かりにくいので、2つの架空のレポートを並べます。数字は例です。

項目 見る順 良い結果の例 悪い結果の例 目安
グラフの形 なだらかな右肩上がり 上下が激しい/後半で急落 右肩上がり
プロフィットファクター 1.45 0.85 1.3以上
最大ドローダウン 12% 28% 20%以下
総取引数 180 45 100以上
勝トレード(全体の%) 46% 38% PFとセットで判断
純益 補足 +145,000円 -12,000円 プラス
期待利得 補足 +805円 -267円 プラス

「良い結果の例」は、目安をすべて満たしており、次の記事で「疑う視点」でチェックする価値があります。「悪い結果の例」は、PFが1.0未満で純益もマイナスなので、第6章で改善に取り組む対象です。

繰り返しになりますが、この表の「目安」を満たしたからといって、実際の運用で利益が出ることが保証されるわけではありません。「次の段階に進んでよいかどうか」を判断するための足切りラインと考えてください。

手順9 レポートを保存する

あとで比較できるように、レポートをファイルに残します。

  1. 「レポート」タブの上で右クリックします。
  2. 「レポートの保存」を選びます。要確認
  3. 保存先とファイル名を指定します。ファイル名には「EA名_通貨ペア_時間足_期間_スプレッド」のように条件を入れると便利です。例: MA_Cross_USDJPY_H1_2023-2025_sp20.htm
  4. HTML形式で保存されるので、ブラウザで開くとグラフ付きのレポートが表示されます。

第6章では、このレポートの数字をChatGPTに渡して改善案をもらいます。保存を習慣にしておきましょう。

つまずきポイント

  • 項目名が記事と少し違う: MT4のバージョンや言語設定で表記が異なることがあります。「プロフィットファクタ」「最大ドローダウン」「総取引数」「勝トレード(全体の%)」など、近い名前の項目を探してください。
  • 最大ドローダウンの%が「相対ドローダウン」と違う: レポートには「絶対」「最大」「相対」の3種類のドローダウンがあります。本スクールでは「最大ドローダウン」のカッコ内の%を見ます。
  • 勝率が高いのに純益がマイナス: 「勝ちが小さく負けが大きい」典型です。「平均勝トレード」と「平均敗トレード」の項目を比べると原因が見えます。要確認
  • 「モデリング品質」が90%未満: MT4標準データの場合、90%程度になるのが一般的です。要確認「n/a」と表示される場合は、モデルが「全ティック」になっていないか、1分足データが不足しています。前の2つの記事を見直してください。
  • どの数字が良いのか結局分からない: 迷ったら「グラフの形」と「PF」の2つだけに絞って判断して構いません。慣れてきたら残りの項目を加えていきましょう。

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