この記事でできるようになること
- バックテストの次に「フォワードテスト」が必要な理由を説明できる
- 自作EAをデモ口座のチャートに乗せて、自動売買を開始できる
- 「ちゃんと動いているか」を右上のマークとログで確認できる
準備するもの
- 第5章・第6章でバックテストを終えた自作EA(コンパイル済みの .ex4 が「Experts」フォルダにあること)
- HFMのデモ口座でログイン済みのMT4
- (任意)VPS。必要かどうかは手順2で判断します
手順
手順1 フォワードテストとは何かを理解する
第5章でやったバックテストは「過去のデータで試す」テストでした。これに対して、フォワードテストは「今この瞬間から先の相場で、実際にEAを動かして試す」テストです。デモ口座を使うので、お金は1円も動きません。
なぜバックテストだけでは足りないのでしょうか。理由は3つあります。
- バックテストは条件が甘くなりがち。スプレッド(買値と売値の差)が固定だったり、約定(注文が成立すること)が必ず成功したりします。実際の相場では、スプレッドが急に広がったり、注文が滑ったりします。
- 過剰最適化(第6章)を見抜ける。過去に合わせすぎたEAは、未来の相場では成績が崩れます。フォワードテストは「まだ見ていない相場」で試すので、ここで成績が大きく変わるなら要注意です。
- EAが「動く」ことそのものの確認。コードには問題がなくても、MT4の設定や環境が原因で1回も注文しないことがあります。
本スクールでは、最低1〜3ヶ月はデモで動かすことをおすすめしています。あくまで目安ですが、週に数回しか取引しないEAなら、20〜30回の取引が集まるまでは判断しないほうが安全です。
手順2 VPSが必要かどうかを決める
EAは「MT4が起動している間だけ」動きます。PCの電源を切ったり、スリープになったりすると、その間は一切取引しません。24時間動かしたいなら、次のどちらかが必要です。
- 自宅PCをつけっぱなしにする(電気代、スリープ設定、Windows Updateの再起動に注意)
- VPSを借りる
VPS(仮想専用サーバー)は、ネット上に借りる「もう1台のWindows PC」のようなものです。そこにMT4を入れてEAを動かしておけば、自宅PCを閉じても取引が続きます。月に数百円〜数千円かかります。
「まずは1週間、自宅PCで動かしてみて、続けられそうならVPSを検討する」という順番で大丈夫です。デモの段階でVPSを借りるかどうかは、ご自身の生活スタイルで決めてください。
VPSを選ぶときに見るポイントを挙げておきます(特定の業者はここでは挙げません。「MT4 VPS」で検索すると、FX向けのサービスが複数見つかります)。
| 観点 | 見るところ | 補足 |
|---|---|---|
| OS | Windows であること | MT4はWindows用のソフトです |
| メモリ | 目安として 1〜2GB 以上 | MT4を1つ動かすだけなら多くは要りません |
| 料金 | 月額と、最低契約期間 | 「お試し期間」があると安心です |
| 設置場所 | 業者のサーバーに近い場所(例: ロンドン、東京) | 近いほど注文が届くのが速くなります。ただし初心者のEAで差が出ることはまれです |
| 接続方法 | リモートデスクトップで接続できること | Windows標準の「リモートデスクトップ接続」を使います |
VPSを使う場合は、VPS側にも第2章と同じ手順でMT4をインストールし、デモ口座でログインしてから、以下の手順に進んでください。
手順3 EAファイルがナビゲーターに出ているか確認する
MT4を起動し、左側の「ナビゲーター」ウィンドウの「エキスパートアドバイザ」を開きます。第4章で作った自作EA(例: RSI_Reversal_Sample)が表示されていれば準備OKです。
表示されない場合は、「ナビゲーター」の中で右クリック→「更新」を試してください要確認。それでも出ない場合は、MetaEditorでコンパイルが成功しているか(.ex4 ができているか)を第4章に戻って確認します。
手順4 EAを動かす通貨ペア・時間足のチャートを開く
EAは「乗せたチャートの通貨ペアと時間足」で動きます。バックテストで検証したものと必ず同じ組み合わせにしてください。例えば「USDJPY・1時間足」で検証したEAなら、USDJPYのチャートを開き、時間足を「H1」にします。
チャートは「ファイル」→「新規チャート」→通貨ペアを選ぶ、で開けます。時間足はツールバーの「M1〜MN」のボタンで切り替えます(第2章の復習です)。
手順5 チャートにEAをドラッグして設定画面を開く
「ナビゲーター」の自作EAを、開いたチャートの上へドラッグ&ドロップします(EA名をダブルクリックでも可)。すると、EAの設定画面が開きます。
設定画面には2つのタブがあります。
- 「全般」タブ … 「自動売買を許可する」にチェックを入れます要確認
- 「パラメーターの入力」タブ … input変数の値が表示されます。バックテストで決めた値になっているか確認します
「全般」タブで「自動売買を許可する」にチェックが入っていないと、EAはチャートに乗っても注文を出せません。ここが最も多い見落としです。
確認できたら「OK」を押します。
手順6 「自動売買」ボタンをONにする
MT4のツールバーにある「自動売買」ボタンを押します。ボタンが緑色の再生マークになればONです。赤い停止マークのままだと、チャートにEAが乗っていても取引しません要確認。
この「自動売買」ボタンは、MT4全体のスイッチです。1つ押すだけで、すべてのチャートのEAが一斉に有効/無効になります。緊急で全部止めたいときは、このボタンを1回押すだけで止まる、と覚えておくと安心です。
手順7 右上のマークで「動いているか」を確認する
チャートの右上を見てください。EA名の横に小さな顔のマークが表示されます。
- ニコちゃんマーク(笑顔) … EAが正常に動いています
- 困り顔(×印や渋い顔) … EAが乗っているが、動いていません要確認
困り顔の場合、原因はほぼ次のどれかです。
- ツールバーの「自動売買」ボタンがOFF
- EA設定画面の「自動売買を許可する」にチェックがない
- MT4がサーバーに接続できていない(右下の接続状態を確認)
手順8 「エキスパート」タブのログを確認する
MT4下部の「ターミナル」ウィンドウの「エキスパート」タブを開きます。EAが動き始めると、「RSI_Reversal_Sample USDJPY,H1: initialized」のようなメッセージが出ます要確認。「initialized」(初期化完了)が出ていれば、EAは待機状態に入っています。
エントリー条件が満たされるまで、EAは何もしません。RSIが30を割り込んだり70を上回ったりする場面は、1時間足では毎日出るとは限らないので、数時間〜数日は取引がなくて普通です。焦らず待ってください。
注文が入ると「ターミナル」の「取引」タブにポジションが表示され、チャートにも矢印と線が表示されます。
手順9 うまく動かないときはAIに聞く
数日待ってもエントリーせず、ログにもエラーらしきものが出ている場合は、次のプロンプトをChatGPTに送ってみてください。【 】の中を自分の状況に書き換えます。
EAをチャートにセットして自動売買をONにしましたが、エントリーしません。
コンパイルエラーはありません。
以下の情報から、考えられる原因と確認手順を教えてください。
- MT4の「エキスパート」タブのログ: 【ここに貼り付け】
- 右上のEA名の横のマーク: 【ニコちゃん / 困り顔】
- 自動売買ボタン: 【ON】
- テスト時の通貨ペア・時間足: 【USDJPY H1】
ログは「エキスパート」タブの上で右クリック→「すべてコピー」でまとめてコピーできます要確認。エラーコードの意味も付録Cにまとめてあります。
つまずきポイント
- ニコちゃんマークなのに取引しない … たいていは「条件がまだ来ていない」だけです。バックテストで1ヶ月に何回取引していたかを見直し、そのペースと比べてください。
- 「困り顔」が直らない … 「自動売買」ボタン(MT4全体)と、EA設定の「自動売買を許可する」(EAごと)の両方が必要です。片方だけONになっていることがよくあります。
- MT4を閉じたら止まった … EAはMT4が起動している間だけ動きます。PCのスリープ設定もオフにしてください。「設定」→「システム」→「電源とスリープ」で「なし」にします要確認。
- VPSでログインできない … VPS上のMT4は、自宅PCとは別のソフトです。サーバー名・ID・パスワード(第2章でメモしたもの)を改めて入力してください。
- デモ口座の有効期限が切れた … HFMのデモ口座は一定期間使わないと無効になることがあります要確認。その場合は第2章の手順で作り直せます。
- フォワードの成績がバックテストとかけ離れている … 数回の取引で判断せず、20〜30回集まるまで待ちます。それでも明らかに悪い場合は、過剰最適化の可能性があるので第6章に戻ります。
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