この記事でできるようになること
- HFMのリアル口座を開設し、入金するまでの流れが分かる
- 「最小ロット」と「余裕資金」の考え方で、最初の金額を自分で決められる
- デモとリアルで何が変わるかを知り、心の準備ができる
準備するもの
- デモ口座で1〜3ヶ月フォワードテストを終えたEA(7-1)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、顔写真付きのもの)
- 住所確認書類(公共料金の請求書、住民票など。発行から一定期間内のもの)要確認
- HFMに登録できるメールアドレスと電話番号
この記事の前提 口座開設・本人確認書類の提出・入金の操作は、すべて読者ご自身で行ってください。本記事は画面の流れをご案内するだけで、入金額や入金方法を指示するものではありません。また、HFMは海外の業者です。海外業者を利用するリスクについては付録Eをお読みください。
手順
手順1 「いつリアルに移るか」を確認する
リアル口座に移る前に、次の3つを自分に確認してください。
- デモで最低1〜3ヶ月動かした
- EAが止まらずに動き続けた(PCやVPSの環境に問題がない)
- 「エキスパート」タブのログに注文の失敗が並んでいない
- 約定した価格が、バックテストと極端にずれていない
ここで「勝率がバックテストと同じか」を確かめようとしないでください。 1時間足のEAでは、1〜3ヶ月で溜まる取引は20〜30回程度です。第5章で説明したとおり、この回数では勝率の差が実力なのか偶然なのかを区別できません。コインを10回投げて表が3回しか出なくても、そのコインが偏っているとは言えないのと同じです。
デモ運用で見るのは成績ではなく、「バックテストでは分からなかった不具合が出ていないか」です。注文が通っているか、想定した時間に動いているか、約定価格が飛んでいないか。この3つが確認できれば、デモの役目は果たしています。
1つでも当てはまらない場合は、無理に進まず7-1か第6章に戻ってください。EAは逃げません。
手順2 HFMのリアル口座を申請する
HFMの会員ページ(myHFエリア)にログインします要確認。第2章でデモ口座を作ったときのアカウントがそのまま使えます。
メニューから「リアル口座を開設」のようなボタンを押し、口座タイプを選びます要確認。デモと同じく、初心者はスタンダード系の口座タイプで問題ありません。ここで選ぶ項目の例です。
| 項目 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 口座タイプ | デモで使ったものと同じ系統(スタンダード系) |
| プラットフォーム | MT4(MT5を選ばないよう注意) |
| 口座通貨 | 日本円(JPY)または米ドル(USD)。損益の計算が分かりやすいのは日本円です要確認 |
| レバレッジ | 選べる場合は、高すぎない値を。レバレッジは損益を増幅させる倍率です |
デモとリアルで口座タイプが違うと、スプレッドや最小ロットが変わることがあります。できるだけ同じ条件にそろえてください。
手順3 本人確認書類をアップロードする
リアル口座では、法律にもとづいて本人確認(KYC)が必要です。会員ページの「書類のアップロード」のようなメニューから、次の2種類を提出します要確認。
- 本人確認書類: 運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど、顔写真付きのもの
- 住所確認書類: 公共料金の請求書、住民票、銀行の取引明細など。氏名と住所が印字されていて、発行から一定期間内のもの要確認
スマホで撮影した画像で問題ありません。四隅が切れていない、文字が読める、光の反射で隠れていない、の3点に気をつけてください。承認には数時間〜数営業日かかります。
注意: 書類の提出やアカウントへの個人情報入力は、必ずご自身で行ってください。他人に任せたり、代行サービスを使ったりしないでください。
手順4 入金する(ご自身の操作で)
本人確認が承認されたら、会員ページの「入金」メニューから入金します要確認。入金方法は国内銀行送金、クレジットカード、オンラインウォレットなど複数あり、手数料・反映までの時間・最低入金額がそれぞれ異なります。会員ページに表示される最新の条件を確認してください。
金額の決め方は次の手順5で説明します。この記事は具体的な金額を指示しません。 入金操作・カード情報や口座情報の入力は、必ずご自身で行ってください。
手順5 「最小ロット」と「余裕資金」で最初の金額を考える
ここが本記事で一番大事な部分です。
最小ロットとは、その口座で注文できる最小の取引量です。多くの口座で 0.01ロット(1,000通貨)です要確認。ドル円で0.01ロットなら、1pips動いても損益は約10円です。最初は必ずこの最小ロットで動かします。EAの input 変数「Lots」を 0.01 に変更してください(第6章で外部設定にしたおかげで、コードを触らずに変えられます)。
余裕資金とは、「全額なくなっても生活に一切影響しない」お金のことです。第1章でお伝えした通りです。リアル運用の最初の目的は「稼ぐこと」ではなく、「デモとリアルの違いを、痛くない金額で体験すること」です。
金額を考えるときの目安を、あくまで例として挙げます。
ここが第7章でいちばん大事なところです。ロットを小さくしただけでは、リスクは小さくなりません。 入金額も一緒に考えないと、バックテストで確認した安全性が崩れます。
なぜかを数字で見ます。バックテストは残高1,000,000円・0.1ロットで行いました。損切り30pipsなら1回の損失は約3,000円で、これは残高の0.3%です。リアルでロットを10分の1の0.01ロットにすると、1回の損失は約300円になります。ではいくら入金すれば、同じ0.3%に収まるでしょうか。
| 考える順番 | 計算 | 例(あくまで例です) |
|---|---|---|
| ① バックテストの条件 | 第5章で設定したもの | 残高 1,000,000円 / 0.1ロット |
| ② ①での1回の損切り額 | 0.1ロット × 30pips | 約3,000円(残高の0.3%) |
| ③ リアルでの1回の損切り額 | 0.01ロット × 30pips | 約300円 |
| ④ 同じ0.3%に収めるための残高 | ③ ÷ 0.003 | 約100,000円 |
| ⑤ ④のとき、最大ドローダウンで減る額 | ④ × バックテストの最大DD 12% | 約12,000円 |
つまり、ロットを10分の1にしたなら、残高も10分の1にして初めて条件が揃います。資金だけを極端に少なくすると、リスクの割合は逆に跳ね上がります。
| 入金額 | 1回の損切りが残高に占める割合 | バックテストと同じ下落が起きたときの減り方 |
|---|---|---|
| 100,000円 | 0.3%(バックテストと同じ) | 約12% |
| 50,000円 | 0.6% | 約24% |
| 20,000円 | 1.5% | 約60% |
| 10,000円 | 3.0% | 資金が尽きる可能性が高い |
0.01ロットはたいていの口座で最小です。これ以上ロットを下げられないので、調整できるのは入金額だけになります。「少額で試したい」という気持ちは自然ですが、少額にするほど、第5章と第6章で時間をかけて確認した安全性から離れていきます。
④の金額を用意できないときは、リアルに進まずデモを続けてください。 急ぐ理由はありません。デモで運用を続けながら資金を準備する方が、結果的に近道になります。なお、上の数字はすべて「損切り30pips・最大DD 12%」というバックテスト結果を前提にした例です。ご自身のEAの実際の数値に置き換えて計算してください。
そのうえで、入金するのは失っても生活に影響しないお金だけにしてください。HFMのような海外業者の多くは、相場の急変で残高がマイナスになってもその分を請求しない仕組みを設けていますが、これは「入金した額を超えて請求されにくい」という意味であって、入金した額そのものは全額なくなる可能性があります。詳しくは付録Eをお読みください。
繰り返しますが、いくら入金するかはご自身で決めてください。 本記事は計算の考え方を示すだけで、金額を指示するものではありません。
手順6 MT4にリアル口座でログインする
リアル口座が承認されると、口座番号・パスワード・サーバー名がメールまたは会員ページに表示されます要確認。デモとはサーバー名が違うので注意してください(例: デモは「HFMarkets-Demo」、リアルは「HFMarkets-Live」のような名前です要確認)。
MT4で「ファイル」→「取引口座にログイン」を開き、口座番号・パスワード・サーバーを入力します。右下の接続状態に数字(通信速度)が表示されればログイン成功です。
デモ口座とリアル口座は、同じMT4で切り替えられますが、同時に両方のEAを動かすことはできません。デモを続けたい場合は、MT4をもう1つインストールするか、VPSと自宅PCで分けます。
手順7 7-1と同じ手順でEAを乗せて稼働する
リアル口座でログインしたら、7-1の手順3〜8とまったく同じ操作です。
- ナビゲーターにEAが出ているか確認
- 検証した通貨ペア・時間足のチャートを開く
- EAをドラッグ→「自動売買を許可する」にチェック→「パラメーターの入力」で Lots が 0.01 になっているか必ず確認
- ツールバーの「自動売買」をON
- 右上のニコちゃんマークと「エキスパート」タブのログを確認
リアル口座では、ロット数を確認する3番目の手順を必ず2回見直してください。0.1と0.01の見間違いは、損益が10倍違います。
手順8 デモとリアルの違いを知っておく
同じEAでも、デモとリアルでは成績が変わることがあります。主な違いは3つです。
| 違い | デモ | リアル |
|---|---|---|
| 約定 | ほぼ必ず注文通りに成立する | 相場が急変すると、注文価格からずれる(スリッページ)、または拒否されることがある |
| スプレッド | 比較的安定している | 経済指標の発表前後や早朝に大きく広がることがある |
| 心理面 | 損しても何も感じない | 含み損を見て「止めたくなる」「ロットを上げたくなる」 |
3つ目の心理面が、実は一番EAの成績を悪くします。「損が続いたので止めた直後に勝ち始めた」「勝ちが続いたのでロットを上げた直後に負けた」は、非常によくあるパターンです。そうならないために、次の記事で「止める基準を先に決める」方法を学びます。
つまずきポイント
- 本人確認が却下される … 書類の四隅が切れている、期限切れ、住所確認書類が古い、が主な原因です。会員ページの却下理由を読んで、撮り直して再提出します。
- 入金が反映されない … 方法によって反映時間が違います。会員ページの入金履歴でステータスを確認し、時間を置いても反映されない場合はHFMのサポートに問い合わせてください。
- リアル口座でログインできない … サーバー名がデモのままになっていることが多いです。リアル口座のサーバー名を選び直してください。
- 注文が「off quotes」や「invalid volume」で失敗する … ロット数がその口座の最小ロットより小さい、または相場急変中です。付録Cに対処をまとめています。
- デモより明らかに成績が悪い … 数回で判断しないでください。ただし、約定拒否やスリッページのログが頻発するなら、時間帯フィルター(第6章)の追加を検討します。
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