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カリキュラム 第7章 実運用 運用中の管理とやめ時
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運用中の管理とやめ時

読み終わるまでの目安 約20分

この記事でできるようになること

  • 毎日・毎週のチェックリストを使って、EAの状態を5分で確認できる
  • 「止める基準」を先に決めて、感情で判断しない仕組みを作れる
  • 月次成績表をつけて、改善(第6章)に戻るタイミングを判断できる

準備するもの

  • リアル口座(または継続中のデモ口座)で稼働中のEA
  • 記録用のノート、Excel、Googleスプレッドシートなど、なんでも構いません

手順

手順1 「止める基準」を先に決めて書き出す

運用を始めたその日のうちに、次の3つを紙かファイルに書いてください。あとから決めようとすると、含み損を見た瞬間に判断が揺れます。

基準 決め方の例(あくまで例です) 自分の値
① 最大ドローダウン(DD)で止める バックテストの最大DDの1.5倍を超えたら止める。例: バックテストで15%なら、22%を超えたら停止 ____%
② 連敗数で止める バックテストの最大連敗数を大きく超えたら止める。例: 過去最大が6連敗なら、10連敗で停止 ____連敗
③ 環境の変化で止める 「約定拒否が1週間に3回以上」「スプレッドがバックテストの2倍以上の状態が続く」など ______

ここで大事なのは「止める = 失敗」ではないことです。止めるのは「バックテストの前提と違う状況になった」というサインを受け取っただけで、第6章に戻って改善すればいいだけです。

一方、止めない基準も決めておきます。「3連敗した」「今週マイナスだった」程度は、バックテストの範囲内なら想定内です。ここで止めてしまうと、EAの本来の成績は永遠に分かりません。

手順2 毎日のチェック(5分)

毎日1回、決まった時間(朝でも夜でも構いません)にMT4を開き、次を確認します。

  • [ ] 右上のマークがニコちゃんになっているか(7-1の手順7)
  • [ ] 右下の接続状態に通信速度の数字が出ているか(「回線不通」になっていないか)要確認
  • [ ] 「自動売買」ボタンが緑色(ON)のままか
  • [ ] 「エキスパート」タブにエラー(赤字や「error」の文字)が出ていないか
  • [ ] 「取引」タブの現在の残高・有効証拠金と、含み損益
  • [ ] 今日のドローダウンが停止基準①の範囲内

VPSを使っている場合は、リモートデスクトップで接続して同じことを確認します。Windows Updateで再起動され、MT4が起動していないことがあるので、「MT4が起動しているか」を最初に見てください。

手順3 毎週のチェック(15分)

週末(土曜日は相場が閉まっているので落ち着いて見られます)に、次を確認します。

  • [ ] 今週の取引回数(バックテストの週平均と極端に違わないか)
  • [ ] 今週の損益と、運用開始からの累計損益
  • [ ] 運用開始からの最大ドローダウン(停止基準①との比較)
  • [ ] 現在の連敗数(停止基準②との比較)
  • [ ] 「エキスパート」タブに約定拒否やスリッページの記録が何回あったか(停止基準③との比較)
  • [ ] 来週に大きな経済指標(米雇用統計、各国の政策金利発表など)があるか

最後の経済指標については、「EAを止める」か「そのまま動かす」かを事前に決めておきます。バックテストでは指標の日も含めて検証しているはずなので、基本は「そのまま」で構いません。ただし、スプレッドが極端に広がる時間帯を避けたいなら、第6章の時間帯フィルターを使います。

手順4 月次成績表をつける

月に1回、次の表を埋めます。ExcelやGoogleスプレッドシートにコピーして使ってください。数字はMT4の「口座履歴」タブで期間を指定し、右クリック→「レポートの保存」で出るレポートから拾えます要確認

項目 記入例(例示) 1月 2月 3月
EA名・バージョン RSI_Reversal_Sample v1.2
通貨ペア・時間足 USDJPY H1
ロット数 0.01
取引回数 18回
勝率 44%
月間損益(円) +1,240円
累計損益(円) +2,890円
月内の最大DD(%) 8.5%
運用開始からの最大DD(%) 12.0%
最大連敗数 4
約定拒否・スリッページ回数 2回
プロフィットファクター(月間) 1.35
停止基準に触れたか いいえ
メモ(気づいたこと) 月末の指標でスプレッド拡大

※ 記入例の数値はすべて説明用の例で、実際の成績を示すものではありません。

この表は、次の3つの場面で役立ちます。

  1. バックテストとの比較: バックテストの月平均と並べて、「明らかに違う」を数字で判断できる
  2. 改善の効果測定: 第6章に戻ってEAを直したあと、直す前と後で比べられる
  3. 確定申告: 海外業者の損益は自分で集計する必要があります(詳しくは付録E)

手順5 稼働ログを残す

成績表とは別に、「いつ・何をしたか」の簡単なログをつけます。1行で十分です。

2026/09/01  リアル稼働開始。Lots=0.01、SL30/TP50、残高 10,000円(例)
2026/09/14  VPSが再起動していた。MT4を手動で起動(約6時間停止)
2026/09/21  雇用統計の直前に約定拒否1回。ログ保存済み
2026/10/01  9月分の成績表を記入。停止基準に触れず、継続

「なぜ成績が変わったのか」を後から振り返るとき、このログがないと「EAが悪いのか、環境のせいなのか」が分からなくなります。

手順6 止めたあとにやること

停止基準に触れたら、次の順番で動きます。

  1. ツールバーの「自動売買」をOFFにする(新規注文が止まります。保有中のポジションは残ります)
  2. 保有ポジションをどうするか決める。「EAの決済条件に任せる」「手動で決済する」のどちらでも構いませんが、決めたら記録します
  3. 「口座履歴」からレポートを保存する
  4. 第6章の改善プロンプト(付録Bの「3. バックテスト結果をもとに改善してもらうプロンプト」)に、リアルの結果を入れてChatGPTに相談する
  5. 改善したEAは、再びバックテスト → デモ → 少額リアルの順に戻す

改善したEAをいきなりリアルに戻さないことが大切です。遠回りに見えますが、この繰り返しが「自分で直せる自作EA」の一番の強みです。

手順7 「やめ時」と「続け時」の考え方

最後に、EA運用全体の「やめ時」についてです。

続けてよいサイン

  • 停止基準に触れていない
  • 取引回数・勝率・DDがバックテストの範囲内で推移している
  • 毎日のチェックが習慣になっていて、負担になっていない

一度立ち止まるサイン

  • 停止基準に触れた
  • 相場環境が明らかに変わった(例: 長くレンジだった通貨ペアが強いトレンドに入った)
  • 「取り返したい」「ロットを上げたい」という気持ちが出てきた

3つ目は特に重要です。この気持ちが出てきたときは、EAではなく自分が運用の一番のリスクになっています。ロットは、月次成績表が3ヶ月以上安定してから、最小単位ずつ上げるくらいの慎重さで十分です。上げるかどうか、いくら上げるかは、ご自身で決めてください。

つまずきポイント

  • 毎日見ていると不安になって止めてしまう … 「毎日のチェック」は機械的に確認するだけで、判断は「停止基準」だけで行う、と決めておきます。判断基準を紙に書いて、モニターの横に貼るのも有効です。
  • 成績表をつけるのが面倒で続かない … 最初は「月間損益」「最大DD」「取引回数」の3項目だけでも構いません。続けることが最優先です。
  • 停止基準を後から緩めたくなる … 緩めるなら、必ず「相場が動いていない土日に」「理由をログに書いてから」にします。含み損を見ながら緩めるのは避けてください。
  • VPSの再起動で長時間止まっていた … MT4を「スタートアップ」に登録すると、再起動後に自動起動できます(ただしログインが自動で行われる設定になっているか確認します)要確認
  • バックテストと違いすぎて、何を直せばいいか分からない … 月次成績表とリアルのレポートをそのままChatGPTに渡し、「バックテストとの差の原因として考えられること」を聞くのが早道です。

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ここまでで、本スクールのカリキュラムは完了です。付録には用語集、プロンプト集、エラー対処一覧、サンプルEA、免責事項をまとめています。→ 付録A 用語集